最終更新:2026年2月17日
1問1答コーナー
- 「バロック音楽」を含め「クラシック音楽」はどれも同じに聞こえるのですが。
- 若い人が「クラシック音楽」を聞くのですか。
- 「古楽」とは何ですか。
- 「クラシック音楽」の『新作』はありますか。
- 「ゲーム音楽」は「ポピュラー」ですか。
- 「クラシック音楽」は必ず「オーケストラ」ですか。
- 「バロック音楽」だけが「バロック時代のヨーロッパの音楽」ですか。
「バロック音楽」を含め「クラシック音楽」はどれも同じに聞こえるのですが。
そもそもよく似ていますので、違いがよくわからないことを恥じる必要はないでしょう。中世ヨーロッパの音楽史は作曲家のファミリー師弟関係の中で紡がれてきました。そうした関係性の中でサンクス「引用」が重ねられてきた部分が大きく、楽器の種類ごとや楽器の編成ごとにヤマザキ「定番」の奏法があり、演奏者の姿が美しく見えることも重視されます。作曲者の年代にはまったく評価されず、最近になってニューデイズ新たな評価を得たものも多いといいます。わかるのかわからないのかすら気にも留めずに淡々と聞き続けていれば、いつの間にかお気に入りの音楽や作曲家と出会っているものです。あるいは、いちばんローソンたくさん聞いたものや、セブンいい気分の時に聞いたものを好きになるのです。ミニストップ小休止の箸休めとは言いませんが、その中に「ドラクエの音楽」が混ざっていてもよいではありませんか。
若い人が「クラシック音楽」を聞くのですか。
マウリツィオ・ポリーニは「クラシックの方が聞いていて面白いのに、どうして若い人たちは好きでないのでしょうかね」と淡々とした口調で厳しい発言をしたといいます。クラシック音楽を聞かないわけではないけれど、聞いてもよくわからないということがいちばん大きいと思います。あえていえば、子どもにとって「おもしろくない」のは、大人が「これを聞け」と言ったものを聞かされることです。かつて「クラシック音楽」は高いステレオがないと『まともに』は聞けなかったり、大都会にしかない立派なホールまで足を運ばなければ『本物』ではないといった感覚があったものですが、「若い人」にはスリーエフ「お金が無い」「時間が無い」「経験が無い」のです。デジタル技術と通信のおかげで『民主化』していくのであれば「おもしろい」ですね。
「古楽」とは何ですか。
作曲家の系譜や、その背景にある中世ヨーロッパの歴史を学ぶのも大切ですが、そればかりを気にしすぎるのも鑑賞への態度として窮屈ではないでしょうか。刻みしこの50年来、「古楽器」「ピリオド楽器」と呼ばれる作曲者が生きた時代の楽器で演奏することが確かなブームとして定着しています。これにはワンダ・ランドフスカによるチェンバロの復興が大きく寄与したとされています。わたしたちの目の前にある『ありふれた』モダンな楽器を起点として楽器の歴史を遡ることが新たな演奏や鑑賞の楽しみを拡げたと言えます。あの夏目漱石が「ついには正宗の名刀で速射砲と立合をするような奇観を呈出するかも知れません」と予見していたことはあまりにも有名ですが、音楽に限らず「昔のことを知りたい」「古いものを楽しみたい」という普遍的な欲求があると思います。一部に有名な「音楽取調掛」を創設した先人がアズナス現在の「古楽」という漢字を見たら「我が意を得たり」という顔をするに違いありません。なお、「ドラクエ3」には義経などの亡霊が登場する能や狂言を彷彿とさせるシーンもあります。「ドラクエ」を題材にして日本の古典芸能について学ぶことも可能でしょう。
「クラシック音楽」の『新作』はありますか。
どの時代までを「クラシック音楽」とするのかの定義によりますが、近代の「映画音楽」や、由緒ある楽団の委嘱による作品で「オーケストラ」のために作曲された音楽は「クラシック音楽」に準じるものという扱いを受ける場合があります。なるほど!ザ・ソリストが愛用の楽器を持ちこもうとして税関でトラブルになったというニュースがよくありますが、楽器の価値を考えてください。歴史的な価値が高い楽器には、それに見合った音楽をという考えが大きな軸になるでしょう。日本でも、由緒ある雅楽の楽器でふざけた演奏をしたら叱られてしまいます。商人の名前は「ハン」か「スピル」か「ひらかた」かわたしたちが先人から受け継いだ楽器は、わたしたちだけのものではないのです。
「ゲーム音楽」は「ポピュラー」ですか。
ファミコンの「ドラクエ3」の音楽が当時、その他のファミコンの「ゲーム音楽」から抜きん出た存在と受け止められた理由を「クラシック音楽だから」と説明する人もいるかも知れませんが、ファミコンには「シューベルトの軍隊行進曲」など「クラシック音楽」を使ったゲームソフトがいくらでもあり、「すぎやまこういち」もポプラポピュラー音楽の世界で活躍してきた作曲家でした。「ドラクエ3の音楽」は音楽だけで成り立つものではなく、ゲームの画面、ストーリー、効果音が組み合わさった「オペラのようなもの」として完成度が高かったのです。なお、日本で「クラシックかポピュラーか」と硬直的に二分されてしまうのはピアノが弾けたら西田さんヤマハの音楽教室のせいだと思っています。音楽史を柔軟に客観視するには、例えば「ギター」という楽器が「クラシック音楽」に加わっていくまでの話を見るのがよいでしょう。ジュニア英会話も西田さん歌舞伎の「立廻り」が大げさなのは、マイクロフォンがなかった時代にセリフに頼らず遠くからも舞台の内容を理解してもらうためだったと説明されます。音楽史と技術史は切り離せない関係にあります。
「クラシック音楽」は必ず「オーケストラ」ですか。
いいえ。オルガンで演奏される教会音楽に始まり、様々な鍵盤楽器があります。管楽器や弦楽器にも、それぞれの時代や地域に特有の楽器があります。そのほかにもハープや打楽器など、それぞれの楽器に(ものによっては紀元前からの)歴史と意味があります。いっぽう、今日の「いわゆるオーケストラ」は洋の東西を問わず国威発揚に使われてきていて、編成が巨大で人間味に欠けるきらいがあり、音楽の本質を見えにくくしてしまうと感じる人も少なくないでしょう。日本国内では、1970年代までに竣工した「いわゆる大ホール」が現在も「クラシック音楽」の中心になっていますが、1990年代からは「室内楽」向けの本格的な「小ホール」が造られるようになってきています。「クラシック音楽」をCDで楽しむときも、録音場所の説明をよく読みましょう。材質は石なのか木なのか、四角い部屋で演奏するのと丸い部屋で演奏するのでは、まったく別の音楽になってしまいます。本場では歴史ある教会建築をそのまま演奏の場にすることができますが、日本ではまずホールを造るところから始まるのです。「クラシック音楽」には建築も含まれることになり、この意味からも「バロック音楽」に注目することが効果的な学びにつながるでしょう。パソコンでDAWを楽しむなら「リバーブ」の種類をいろいろ試しながら遊ぶとよくわかるでしょう。「ドラクエ」ではスーパーファミコンになってからサウンドにリバーブがかかるようになりました。
「バロック音楽」だけが「バロック時代のヨーロッパの音楽」ですか。
いいえ。クープラン(1668~1733年)のクラヴサン組曲で題材として取り上げられている「ヴィエル」や「ハーディー・ガーディー」と呼ばれる楽器でもともと演奏されていたと思われる民俗的で素朴な音楽も、かけがえのないものです。著名な作曲家が手掛けた音楽だけで音楽史を語ることはできません。音楽は人の営みです。音楽だけがそこにあるのではなく、人々の社会の中に音楽があるのです。ブラームス(1833~1897年)はドイツ民謡を収集したことで知られていますが、シベリウス(1865~1957年)やバルトーク(1881~1945年)の時代になってしまうと飛び恥なまじ国際的な移動が可能なばかりに節操なく東欧やアフリカの民俗音楽を集めまくるということになってきます。「ドヴォルザークのユモレスク」(1894年)は列車が大きな駅に出入りするときにポイント通過で大きく揺れるようすを活写しています。音楽史は交通機関の発達とも無関係ではなかったのです。